長い間ブログが更新できずでしたが、「旅の記事はすぐに書かなければならないという事は全然ないんだ」という記事をcoyoteで読んだ事を思い出しなるほどと感じながらようやく書きたいという気持ちになって今に至りました。
パタゴニア社に旅の記事を書くという仕事を引き受けていた今回の旅。
「まるで野生馬のように」というタイトルでパタゴニア社のストーリーで掲載していただけた事が時が立つにつれて本当にありがたい事だと思ってます。
https://www.patagonia.jp/stories/traveling-like-a-wild-horse/story-146724.html
オーストラリアのパタゴニアのホームページではまた違う写真と翻訳され英語版で、https://www.patagonia.com.au/blogs/roaring-journals/a-longing-for-a-land-ive-never-seen-sam-and-takashis-european-tour
ヨーロッパ版ももしかすると、、
今回の記事、実は初入稿での返答が大手術が必要ですね!からが始まりだった。
個人のブログとは違い企業の記事なんだからしっかり書かないとと変に力んでいた僕に編集として関わっていただいた 村岡 俊也さんから
「プロで20年やっていてもいまだに赤字で訂正だらけで帰ってくるんですから気にしないでください!小森さんは好きなように書いてもらって自分は最後に少し読みやすいようにさせてもらうだけですから」
とアドバイスをいただきお陰様で肩の力が抜けてようやく書き上げる事ができました。
文章もサーフボードのように自分でシェイプして最後はグラッサーに巻いてもらうようなものですね!と意気投合できてやりとりさせていただいた事が本当にありがたいです。 文字で勝負した方が良いですよ!と勇気ずけられるお言葉も。
そして写真の構成などもまたパタゴニア社のスタッフが仕上げてくれ、このようにしてひとつの記事が出来上がるのだなと勉強になりました。
Patagonia社の皆様 今回は非常に良い経験をさせていただき本当に感謝しております。懲りずにいろんなストーリーを歩みまた表現できたらと強く思っております。
素晴らしい瞬間を収めてくれた写真家のThomas Lodin、ケガをしても旅を最後まで諦めない強い気持ちを見せてくれたバディのサムさん改めてありがとうございます。旅の途中に危篤になったが奇跡の復活で帰国するまで生きてくれていた今は亡き愛犬Moonの記録も共に残せた事も嬉しいです。
ただ良い波に乗ることだけが目的ではなかった今回のヨーロッパへの旅の思い出は長い年月自分の心にも残り続けるだろうと思います。
旅の再開
ノーススペインでテントを張り、ギアをテスト。
ビーチの上でワンポールテント。使用テントはMSR フロントレンジ。小さくなるのとシンプルで素早く設営ができるのが最大の特徴。マットはサーマレスト トレイルプロ。 寝袋はパタゴニアのフィッツロイ、スリーピングバッグ −1℃。 サーフキャンプではいかに快適に睡眠できるかがとても重要になってくるので、旅の前に熟考してギアを選ばせていただいた。
ギアはどれもが一流品であったが、寝る場所選びが今回のキャンプ生活では非常に大切な要素である事を痛感。正直な事を言うとうまく眠りにつけない日もあり、使用したギアの選択だけではなく、大地の水平レベルをしっかり確認できていないと夜中に目が覚めてしまう事が何度かあった。 テントの貼り方もフライシートの張りがイマイチだと夜露が寝袋についてしまい寒くなってしまった事も。
砂浜の上での初テスト。
砂浜は夜になるととても冷たくなるのでマットのありがたみを凄く感じた夜だった。
退院してから二日後にもかかわらずギアのテストをしながら旅をするという今回の目的を嫌な顔をせず一緒に継続してくれたサムさんだった。
そして次の目的地へ
スペインの国境をこえポルトガルに向かった。
世界一のビッグウェーブが立つというNazare.この日は小さいという予報だったが朝イチからジェットスキーがスタンバイしておりトゥインの練習をしていた。世界一の波という事でどんどん街が栄えてきているという。
パドリングサーフィンはでは入る隙間がなさそうだったので別のポイントへ。 ポルトガルもすごい勢いで波乗りが流行ってきているみたいでどこのビーチに行っても多くのサーファー、そしてバリエーション豊富な波がいたる場所にあった。
世界中の良い波を追い求めいまだに元気な後ろ姿を見せ続けてくれるトムさんファミリーとポルトガルで合流。 ビジネスの事や身体のメンテナンス、食生活の事までいつもたくさんの学びをありがとうございます。
トムさんから教えていただいて初めて知ったワールドサーフィンリザーブ。世界中の優れたサーフブレイクを守ります というエリアに選ばれているんだよ!というポルトガルのエリセイラ。https://www.savethewaves.org/ja/ericeira/
街の発展もコントロールされ海や土地が守られていく。地元宮崎もそういうエリアになるといい。意識の高さはどこから生まれてくるのだろう?街並みも美しく、レンガの道路がいまだにいろんな場所にあったのが印象的。
2日間だけの滞在となったポルトガル エリセイラ。
僕たちの旅の最終目的地として構想にあったポルトガル マデイラ諸島 を目指しスペインのマドリード空港へロングドライブ。フランスースペインーポルトガルーマデイラ島 自分達がやりたかった事、行きたかった場所に行けるありがたみを感じながら飛行機に乗った。
マデイラ島ではキャンピングカーのレンタルができなかったので、ほとんどの日をテント泊で過ごした。
到着は夜だったので暗い中どこでテントを貼れば良いのかGoogle mapを見ながら探さなければならず大変だった。
選んだ野営地は朝起きるとまたしてもジブリの世界に入り込んだような景色。
起きてファスナーを開けると数十匹のヤギたちが山へ向かっていた。
旅から旅の疲れがさすがにあったが、追い討ちを変えたようにさらに到着翌日は大雨予報。
波乗りの前に大雨をどう対応するか悩んだ挙句、怪我をして間もないサムさんだったという事もあり 宿に泊まろうという事に。今回の旅、初の宿に泊まり久しぶりのホットシャワーとフカフカのベッドに癒やされた。ヨーロッパの石を多く使用した建築や土木がとてもかっこよく感じた。
予報通りの大雨を宿で過ごしその日の夜は街に繰り出そうと街へ飲みに向かった。
珍しいアジア人二人を気に入ってくれたみたいでお酒を振舞ってくれたbarのオーナー。 楽しすぎて飲みすぎて次の日の良い波に乗れなかったのも良き思い出。
Paul do Mar Madeira island
うねりと風が合えば凄い波になりそうなポイントだった。
宿を出てからまた毎日どこで眠るのかという事を考えて場所探しをする事も大事な要素だった。海から山へ
山の上でのクッキング
山の上でMSRのキャンピングバーナー ウィスパインターナショナルで韓国料理を作るSam yoon
残り僅かな滞在日数となり波予報を見ると帰国予定日すぎからとても良くなる予報が、、
旅の詳細は まるで野生馬のように
で読んでいただけると嬉しいです。
マデイラ島ではほとんどの日を山のキャンプ場で過ごした。 自然が多く残されたキャンプ場はキャンパーにとってはとても贅沢な場所だと思う。
夢見るような波のため飛行機のチケットを延長したサムさんと予定通り帰る事になった自分はまたしても大雨予報の旅の最終日をどう過ごすか決めなければならなかった。
ドライブの途中に見つけた石造りのファイアープレイスのある場所だったら雨がしのげるかもしれないと暗い中向かった。
焚き火ができて調理ができる石造りの小屋? なんと言って説明して良いかわからないが大雨の中最終日をこの場所で過ごしなんとか乾いた旅の荷物をパッキングすることができた。
暴風雨の夜中が嘘のように抜けて朝は爽快な空気が流れていた。Photo Sam yoon
いろんな事が起きすぎて簡単には表現できない旅でしたが、小さい島国のさらに田舎に住む自分がヨーロッパ大陸から島まで1ヶ月も旅できた事は時間が数ヶ月経ってもとても価値のあるものだったと思います。
旅は人を成長させてくれる。そんな言葉が身に染みてわかったような気がした。
小森 隆志